盆栽輸入国の要求事項
諸外国は、日本から輸出される植物は、種類によって持ち込みを禁止したり、持ち込む時には栽培中に検査を行うことや輸出前に消毒を行うことなど一定の条件を課しています。この情報は国や地域で異なり、各国ごとに植物検疫要求として植物防疫所で収集しています。植物防疫所に検査の申請をして、相手国の植物検疫要求に従って検査を行い、相手国の要求に合致していることを確認し「植物検査合格証明書」を発給してもらいます。
EU諸国向け(一般盆栽)の輸出
- 少なくとも2年間、公的登録された盆栽園で栽培管理すること
- 栽培期間中、高さ50cm以上の棚におかれた鉢で栽培すること、コンクリート床に置かれること。
- 欧州で未発生のさび病の付着がないことを保証すること
- 年間少なくとも6回の植物防疫所の検査が行われ、有害動植物の寄生・付着がないこと
- 栽培土壌には有害動植物がないこと
- 輸出前に次のいずれかの措置をとること
①栽培土の除去
②栽培土壌を除去し消毒した栽培土に植え替える
③適切な消毒を実施し検疫証明書へ記載する - 輸出検疫に合格した盆栽への封印と検疫証明書への記載
- 植物ごとに適用される個別の規定に抵触しない
- 各盆栽は育成園と植え付け年次がわかるように標識をつけます。
- 盆栽は輸出までの間、識別できるようにします
(ヒノキ属、ビャクシン属、ゴヨウマツの盆栽)の輸出
- 輸入可能期間に行う
- 輸入国の許可する数量を超えない事
- 登録盆栽園のリストと育成本数を毎年EU委員会に提出する。
- 上記の他、一般盆栽に対するEUの規定に従う。
- 輸入者は輸入数量・期日を関係機関に申告します。
- 輸入後、マツ、ヒノキは3ヶ月、ビャクシンは4/1~6/30までの隔離栽培が必要です。
- 隔離栽培期間中に対象病害虫が発見された場合には不合格として廃棄し、日本に通報される。その場合には、該当する盆栽園の登録は取り消されます。
- ゴヨウマツの盆栽については、輸出前にFusarium circinatumの検査が要求されます。
- 上記の他、一般盆栽に対するEUの規定に従う。
(苗木類)
- 少なくとも1年間公的登録された園で栽培管理すること。
- 年間少なくとも2回の公的検査が行われ、有害動植物がないこと。
- 輸出前2週間以内に次のいずれかの措置をとること。
①栽培土壌の除去
②栽培土壌の除去と消毒した栽培土への植え替え
③適切な消毒と検疫証明書への記載 - 植物ごとに適用される個別の規定に抵触しないこと
アメリカ合衆国への輸出
- アメリカ合衆国への輸出は、下記の条件と国の政府機関による植物検疫証明書の添付が必要。
- 土壌を含め全ての栽培基質を出荷前に除去すること
- 下記の条件で栽培されたもの
①栽培国の政府機関に登録された苗木園の温室あるいは網室に少なくとも2年間栽培される
②盆栽の栽培される温室または網室は、全ての換気及び開口部は1.6mm未満の網がかけられていること
③盆栽は少なくとも2年間は消毒された培養基質で栽培される
④登録ほ場の温室または網室内の地上50cm以上の棚上に置かれること
⑤登録ほ場は植物防疫機関により12ヶ月間に1回アメリカが定める検疫病害虫があるか検査する。 - マツ、カラマツは輸入禁止
- 輸入前に、アメリカの植物検疫機関が発行する輸入許可証を取得する
韓国向け苗木の輸出
- マツ、カラマツ、ヒマラヤスギの生植物は輸出禁止
- 輸入後、果樹や実がつく苗木は隔離検査が必要
- 土壌は①輸出可能資材はピートモス、ココピート、コケ、樹皮、バーミキュライト、パーライトの未使用のもの、②育成資材は、寝巻きに使う場合、資材そのものを輸出する場合両方で植物検疫が必要。
中国向け苗木の輸出
- マツ、土、砂、粘土及びピートは輸入禁止
- 全ての植物、植物の部分は事前の輸入許可証の取得
- 輸入実績のないものは病害虫危険度解析が必要
香港向け苗木の輸出
- チャ、柑橘の植物は輸入禁止
- 土、砂、粘土、及びピートの付着がないこと
- 輸出前に輸入許可を取得し、記載された条件をみたすこと
台湾むけ苗木の輸出
- カラタチ属、キンカン属、ナス科の植物は輸入禁止
- 輸出される苗木類には土、砂の付着がない
- 以下の病害虫の付着がないこと
ジャガイモガ、ヤノネカイガラムシ、ナミクキセンチュウ、ミカンキイロアザミウマ、ネダニ、ニンジンサビダニ、サクラ胴枯病菌
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